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自虐の詩 [読書感想文]

まずはこの本が、

「竹書房文庫ギャグ・ザ・ベスト」から出ているのが凄いと思う。

この漫画はギャク漫画なのだ。

主人公 幸江の夫 イサオは無職。
働かないだけはなくて、基本的にやっていることは、寝るうつ飲むの三点セット。
幸江の給料を盗むこともしょっちゅうだし、ちゃぶ台返しは日課だ。

その幸江の父親と言えば、イサオと全く同じタイプで、違うのは暴力を振るわないところぐらい。

そんな幸江が不幸な目に会うことが基本的な流れなのだけれども、それをギャグで見せる。

たまにいいこともあるんだけれども、読者もそれがつかの間の幸せであることはよく分かっている。
でもギャク漫画だから、ちょっとの間の幸せぐらい、と一緒に少し幸せになれる。
ラストシーンも、妊娠、旧友との出産とハッピーエンドのように見えるけれども、冷静に考えれば更なる苦労が待ち受けていることは明らかなのだ。

でも、つかの間は「良かったな」という気分になれる。

題材は暗いはずなのに、楽しく読める。変わった一作です。


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